PRISM
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2011年2月4日更新

PRISMの軌道上想像図

PRISMの全体概要

PRISM Image
※2007年11月現在の最新設計に基づいています。
※見やすくするため、いくつかの部品については描かれていません。
※マウスポインタを画像の上に持っていくと、各部分の名称が現れます。
打上げ
    2009年1月23日
軌道
■ 高度 660km
■ 離心率 0.00
■ 軌道傾斜角 98.06度
打上げ時寸法
■ 19cm x 19cm x 23cm (衛星本体のみ)
■ 19cm x 19cm x 37cm
    (伸展ブームなど突起部含む)
重量
    8.5kg
ミッション
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背景: 〜プロジェクト発足前夜〜

東京大学ISSLでは、2000年〜2001年にかけ1kg, 10cm立方(CubeSat規格)の超小型人工衛星XI (サイ)を開発し、その宇宙実証初号機XI-IV(サイ・フォー)を2003年6月に、2号機XI-V(サイ・ファイブ)を2005年10月に打ち上げ成功しました。2機のXI はその後も順調に動作し、毎日運用が続けられています。XI について詳しくは XIのページをご覧ください。私たちは XI で培った衛星の基本的機能(バス機能)をベースにした新しい衛星で、チャレンジングなミッションを達成すべく、2002年にCubeSat2(現在のPRISM)プロジェクトを立ち上げました。

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名前の由来: PRISMとは

CubeSat2の開発コード名は、PRISMといいます。PRISMとはPico-satellite for Remote-sensing and Innovative Space Missionsの略、すなわち「リモートセンシングやその他の革新的な宇宙ミッションをするための超小型衛星」という意味です。その他「PRISM」という単語には光学部品としてのプリズムの意味を持ち、また数学的には角柱と訳されます。与えられたミッションやその形状にぴったりの名前ですね。

実は衛星の重量クラス別の一般的な呼び方は

  • Pico-satellite : 1kg以下
  • Nano-satellite : 1〜10kg
  • Micro-satellite : 10〜100kg

となっていて、PRISMはPico-satelliteではなくNano-satelliteに属するのですが、一旦この名前に決めて動き始めたプロジェクトなので名前を変えることはしません (^^;

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PRISMの大きさ

衛星の大きさは当初の予定より若干大きくなりましたが、現在では20cm立方程度、重量8kg程度となっています(詳細は熱構造系のページをご覧ください)。この大きさならケースに入れて運搬もできますし、組み立てや試験も容易です。

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ミッション1: 柔らかい「伸展ブーム」を鏡筒に用いた望遠鏡による画像取得技術試験と実証

望遠画像取得を行なうPRISMは、搭載望遠鏡のタイプとして通常のリモートセンシング衛星が用いる「反射式(鏡を使って光を集める)」ではなく、「屈折式(レンズを使って光を集める)」という方式を採用しています。この方式の利点は「光学系が比較的変形に強い」ということです(ただし、あまり倍率を高くすることはできないという欠点があります)。この利点を生かして、望遠鏡の筒に、独自に設計・開発した柔らかい伸展式のブームを採用しました。
カメラの地表分解能(地表のどれだけ細かいものが見えるか)はカメラの口径と焦点距離で決まりますが、長い焦点距離の望遠鏡の筒は当然長くなります。一方で衛星の打上げにかかる費用は「ロケットに搭載したときの衛星の寸法」で決定されるので、長い筒は打ち上げ費用を高いものにしてしまいます。また、打上げの振動に耐えるような鏡筒は頑丈な重いものになってしまうでしょう。この伸展ブームを生んだのは

「打ち上げるときに小さくたたんでおいて、宇宙で大きく使う」

という発想です。この光学系を軌道上試験することがPRISMの最も重要なミッションです。画像取得ミッションの鍵を握る技術としてこのような構造を採用して宇宙で実証しようとするものは、これまでにありませんでした。ブームの伸展が成功すれば、結果として地表分解能30m程度の画像取得が可能となります。

ミッション2:民生品を利用した超小型衛星用要素の技術試験・実証

民生品とは、宇宙用に設計されたものではない「普通の」部品のことです。XI では、衛星の基本的な要素(「バス」といいます)技術の試験、実証をミッションとして行ないました。PRISMでは、画像取得ミッションを成功させるために、もっと高性能のバス技術を搭載するとともに、その宇宙実証を行なうことにより、さらなる技術ノウハウの蓄積を狙っています。
注意しなければならないのは、民生品の新しいバスを搭載する場合には、そこが故障する可能性が高いということです(放射線、強い紫外線、高温と低温など厳しい環境のため)。故障しても他のバスがバックアップしたり、外から自動的に再起動したりしてメインミッションの達成に支障がないようなシステム(冗長系といいます)を設計するところが難しいところです。

ミッション3:より進んだアマチュア無線サービスの実施

PRISMはXI (サイ)に引き続き、データの送信・受信にアマチュア無線帯を利用しています。PRISMでは管制(衛星のコントロール)に支障のない範囲でコマンドアップリンク系統を一般に開放することで、アマチュア無線に関するより高度な技術を楽しんで頂けるように設計しています。具体的には、メッセージの送信・記録・受信、撮影予約、ダウンロードなどです。詳しい内容についてはXI (サイ)の運用やアマチュア無線コミュニティーでの議論を踏まえて追加検討して行きます。

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打上げ後のシーケンス: 〜打ち上げ後にたたんでいたものを広げます〜

PRISMはロケットに搭載される際には箱型をしており、打ち上げ時の厳しい振動環境に耐える設計となっています。そこから、次のようなシーケンス(手順)で一歩ずつ地球撮影モードへ移って行きます。

  1. 宇宙空間でロケットから切り離されます。
  2. 衛星放出機構から射出されます。この時点で送信アンテナは展開されます。
  3. 2組のアンテナを広げ、通信能力を向上させます。
  4. 4枚の太陽電池パドルを広げ、発電能力を向上させます。
  5. 1つの望遠鏡構造(伸展ブーム)を伸ばし、望遠カメラによる画像取得を行えるようにします。

下のFLASHムービーは上記の展開シーケンスを伝えるものです。

   ※PRISM本体を1度クリックするとアンテナ及びパドル展開動作を、2度目にブーム展開動作を実行します。
   ※FLASHムービーでは放出以後の動作を模擬しています。

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プロジェクトチーム構成

PRISMプロジェクトは、ISSLメンバー(大学院博士課程学生、修士課程学生、卒論生、研究生など)に加えて、学内や他大学でプロジェクトに興味を持ってくれた学生から構成されています。総勢15名程度ですが、多くのメンバーは他のプロジェクトにも参加しています。

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プロジェクトのこれまでと今後の予定

2003年に各サブシステムでコンポーネント開発を進め、BBM(試作モデル)を完成させました。その後、XIの打ち上げや運用や、S310-36号機による網展開実験のために一時開発を中断しました。2006年より開発が再度本格化し、2007年11月現在、2ndEM(技術試験モデル)の製作を進めています。2nd EMとは、実際に打ち上げる最終モデルであるFMの一つ前の段階です。2nd EMを用いて様々な環境試験を行っている段階です。2007年半ばに、PRISMの平成20年度打ち上げが決定しました。これによりメンバーにもより一層気合が入って、今日も全力で開発を続けています!!

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PRISM プロジェクトサブシステム一覧

光学系 空から私たちの美しい地球を撮影します。
PRISMの一番大事な仕事を担当します。
熱構造系 暑さ、寒さ、振動に負けない強い体を作ります。
電源系 衛星にエネルギーを供給する、命の源です。
通信系 地球にいる私たちから命令を受け取ります。
健康状態や宇宙で撮影した画像を私たちに知らせます。
ADCS Attitude Determination and Control System(姿勢制御系)の略です。
いい写真が撮れるように、体のバランスをとります。
C&DH系 Command and Data Handling(データ・コマンド処理系)、衛星の脳です。
衛星がきちんと仕事をこなせるように、よく考えます。
地上局系 地球とPRISMをつなぐ窓口です。
ウェブ系 PRISMの情報を日本全国に、世界に発信します。
このウェブサイトの管理をしています。
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