2011年2月4日更新
PRISM 光学系の役割
光学系はPRISMプロジェクトにおいて、メインミッション(=地球表面の画像の取得及び観測)に最も直接的に関わっています。
地球をとらえる「望遠鏡衛星」という性質を持ったPRISMでは、地球上の細かいところまで見て、画像を取得するために
望遠のデジカメをつくることが、光学系の役割になります。
"望遠"の"デジタルカメラ"を作るにあたり、次のような機能を持たせる必要があります。
- 光を集める
性能計算を行い、どのような望遠鏡を作れば良いかを決めます。
得られる画像の画質や、目標とする分解能からレンズを選定しています。
- 望遠撮影のためのブームの伸展
倍率を上げるには、焦点距離の長いレンズが必要です。
これに対応して鏡筒も長くなるのですが、ロケットで打ち上げられる際はコンパクトに収まっていて欲しいのです。
打ち上げにかかる費用は、軽く、小さい衛星ほど安くて済むからです。
"小さく収納して、大きく使う" ― これを実現するのに、PRISMでは「伸展ブーム」を用いることにしました。
詳細は熱構造系のページを参照して下さい。
- 望遠撮影におけるレンズの支持
既製品のレンズ枠は重すぎ、伸展ブームに取り付ける部材もついていないので、自作します。
- 望遠撮影時に必要なフードやバッフル
もちろん、望遠鏡は、レンズだけあればよいというものではないですよね?
光学系では、フード(=余計な光をシャットアウトするカバー)の設計も行ないます。
迷光(=レンズを通った被写体からの光以外の、コントラストを下げる原因となる光)を避け、コントラストを上げる目的で必要になります。
- ピンボケ画像からボケを取り除く
ピント合わせが十分に行えなかったときなど、多くの要因から、望遠画像はボケてしまいます。
こうした「ボケ」「ぶれ」をダウンリンクした画像から取り除き(または、緩和し)、見栄えの良い画像にする作業をソフトウェアで行ないます。
多くの研究がなされていますが、これらを参考にしつつも、なるべく高い品質の画像に仕上げるように検討します。
- WACによる地表及び伸展ブームの撮影
連写ができるようにして、伸展ブームが伸びていく様子を撮影したり、地球に対して衛星の姿勢がどのように動いているかを調べたりできると、ミッションの幅が広がります。
NACと違ってレンズや電子回路がひとかたまりになっているため、マイコンを使って動かせるようになればそのまま搭載できます。
- NAC取得画像のJPEG圧縮
NACの画像はデータ量が大きいので、データ量を小さくする工夫が必要です。
画素数を減らすのは簡単ですが、それでは面白くないですよね?
例えば画素数はそのままに、1画素の持つ情報量を減らすモードを作ります。
更に高い圧縮率が得られるJPEG圧縮ができるようにすることが目標です。
- 画像の保存
大容量ROM(SmartMedia)への画像書き込みを行ないます。
詳細はC&DH系のページを参照して下さい。
PRISM 光学系機能ダイアグラム
光学系の機能を図で示すと、次のようになっています。
図中、右上のブロックが望遠鏡に対応します。
アクチュエーターはNAC受光素子の載った基板を動かしてピントを合わせるために使用します。
JPEG圧縮は、大量の画像データを高速で地上に降ろすのに必要だと考えている機能です。
PRISM 光学系の設計/開発
整備中
コンポーネント
PRISMには2種類のカメラが搭載されます。
これらの素子を動作させる電子回路の設計・製作やプログラムの作成を行います。
- 望遠カメラ(NAC: Narrow Angle Camera)
望遠鏡を通して拡大された地球の画像を取得します。
高度800kmから撮影したとして、地表分解能(どれくらいの大きさのものまで見えるかの目安)の目標は30m程度です。
約130万画素の受光素子を使います。
望遠カメラを用いた画像取得はメインミッションなので力が入る部分です。
- 広角カメラ(WAC:Wide Angle Camera)
最近のほとんどの携帯電話についているようなカメラモジュールを使います。
NACで撮影した画像は、非常に細かいところまで見えるのですが視野が狭すぎるため、"どこを撮ったのか"分からないことがあると予想しています。
WACで取得した画像と対応が取れたら、その手がかりになるかもしれません。
また、地球の縁を撮影することによって、地球に対する自分の姿勢がある程度分かります。
PRISM 光学系アドバンスミッション
以下の機能については開発進捗の遅れを理由に優先順位を下げた項目ですが、余裕があれば是非実装したいものばかりです。
- 望遠撮影のためのアクティブなピント調節
NACは、実は非常に厳しい条件をクリアして初めてきれいな画像を取得できます。
つまり、レンズを支持する伸展ブームの精度が悪かったり、長い間ねじって収納しておいたことで「くせ」がつき、レンズとNACの距離が設計した値とずれてしまい、ピンぼけの画像しか撮れないかも知れないのです。
そこで、NAC 受光素子の載った電子基板を動かしてピント調節を行なえるようにすることが期待されます。
少しずつ動かしては撮影し、ピントが合ったところを探す、という方法が採れます。
アルゴリズムについては、オートフォーカスの検討を行いました。
- オートフォーカス
さらに、ピント調節を自動で行う「オートフォーカス」ができると、デジカメに一歩近づきます。
また、その制御方法は学問的にも面白いものです。
メンバー
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佐藤 友紀 リーダー
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金 相均
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江野口 章人 オブザーバー
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宮村 典秀 オブザーバー
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